鬼巻簾

見たり聞いたり思ったことを残していこうと思いました。

作品の影響を受けやすい

2月になりました。

今更感満載なんですが、カズオ・イシグロさんの「わたしを離さないで」にどハマりしました。大学の時に友達にドラマを勧められていたんですが、1話1時間あるものを10話も追いかけるのはなぁ…とそのままにしていました。先日たまたまAmazonプライムで何か無いかと探していたらちょうど「わたしを離さないで」のドラマが無料配信されていたのを見かけて、そういえば勧められていた作品だったなと思い出し。それでもドラマは長いので原作小説を買って読んでみました。

 

めちゃくちゃ好みでした。

 

↓この先ちょっとネタバレあるので原作を読もうと思ってる方は見ない方がいいです。

この救いが無さすぎる絶望ストーリーめっちゃ好きィ~!!!とどハマりし、考察・感想ブログを読み漁り、字幕映画とドラマも見ました。臓器提供の為にクローン人間が大量生産されて(クローンではない)人間たちの平均寿命が100歳を超える世界の中で、クローンとして生まれた女性が主人公の作品で、簡潔に言ってしまうと臓器提供の使命がある為に提供を終えると若くして死んでいく運命が定められているので死ぬことは逃れられないんですが、その中で主人公キャシーやその友達ルース、恋人トミーとの感情交錯がリアル過ぎるくらいに描かれていました。カズオ・イシグロさんがこの作品に対して「ラブストーリーです」と言いきっていることを知って(何を言っているんだ?!)とびっくりしたのですが、原作、映画、ドラマと見てから改めて考えた時、キャシーの目線から見れば確かにラブストーリーだなと思いました。私は読者なのでその世界の中では完全俯瞰者の立場でものを見ているため「クローン人間の悲しい運命とそれを認めてしまった人間たちの残酷さ」を描いた物語だと思ってしまうものの、クローン人間の立場で見れば確かにこの物語はラブストーリーであり友情ストーリーです。そういう意味でカズオ・イシグロさんは「ラブストーリーです」と言っているのかな?と私は解釈してます。

この物語がラブストーリーである必要性に気がつくのに私はかなり時間がかかったのですが、キャシーがルースと喧嘩をしたり、ルースが自分の孤独を埋めるためにキャシーに嫌がらせをしたり、トミーと両思いになれて喜んだりと、「普通の人間と同じように感情を持って行動して、喜怒哀楽をしている」事実が根底にあればある程、臓器提供の為だからと殺していいものなのか?と疑問が強くなるわけです。

映画版でルースとトミーが亡くなって、キャシーに提供通知が来るシーンが最後になるのですが、キャシーの最後の「私は問う。私の人生と、私の提供を受けた人の人生は、どこが違うのか」という台詞(微妙に記憶違いで文章は異なりますが)でものすごく心を揺さぶられました。クローン人間の人生と、クローン人間の提供を受けている人間の人生、何も違わないわけです。友達と喧嘩をしたり、恋をしたり、愛を囁きあったりと全く同じなんです。

同じ人間だと思えば思うほど、残酷性が増す作品だなと私は思いました。

作品の中の世界では、その残酷性を忘れるために「クローン人間には魂(心)が無いのだ」と思い込んで人々は生活しているらしいのですが、いくら臓器提供が定着して寿命が延びるからってそんな社会を認めたいとは思えないですね…。ドラマ版ではまだ救いがあって、臓器提供によって寿命が延びたもののいつまでも生き続けて生きる意味を見失った人が増えたことや、キャシーが育った学校の元先生たちがクローン人間にも魂があることを発信していることで、臓器提供されることを断る人達が増えている、といった終わり方でした。それと主人公キャシー(ドラマ版は日本仕様になっているので保科恭子という名前でしたが)に提供通知が来ないままで物語が終わってるんですね。

映画版はその点親友と恋人を失ったキャシーの元に提供通知が来るところで物語が終わるので、本当に救いが無いです。

それと、原作では提供のシーンにはあまり重きを置いていないのか(一応ラブストーリーですしね(笑))提供シーンがバッサリ描かれていないのですが、映画版やドラマ版では提供のシーンが惨いです。手術をしているから、とかではなくて、麻酔が効いてクローン人間が気を失った瞬間に機械的に臓器をがっつり取っていってしまうのと、クローン人間が体力切れや敗血症で死にそうになると手術している人が「もう3度目(の提供)だから(死んでも)いいだろ」とあっさり見捨ててしまうんですよね…。映画版はルースが亡くなった時に(麻酔が効いてるはずなので瞼が開くはずないと思うんですが)目をかっぴらいたまま死体として放置され手術が終了するシーンがあり、同じ人間なのになんて事を…と息を飲みました。ドラマ版は亡くなった時は目を閉じて照明が落ちるといった描写だったのでまだその点はマシだったかな…。

約束のネバーランド」のように主人公たちが人間の欲を満たすために造られた何かだった、みたいな物語は少なくないのですが、大抵の作品が運命に抗って戦ったり逃亡したりする中で、「わたしを離さないで」については提供の運命から逃れようとする人が誰も出てこないことが逆に不気味です。それが運命なんだと心の奥で認めてしまってるところがあって、それこそが私利私欲を肥やす人間たちの教育の賜物なんだよなと皮肉にも思ってしまう恐ろしさもある作品でした。

 

 

 

話は全然変わりますが最近読んだ漫画で私と考え方がよく似た主人公が出てきて、心機一転する機会を得ました。

「見た目が良くないから」と自分を女から遠ざける割に、本当は可愛くなりたい本心。その本心を見抜いたおネエに「あんたは顔じゃなくてその性格がブスなのよ!そんな卑屈な考えしてたら例え美人でも男なんて寄ってこないわ!」と一蹴されて女磨きを始めるわけなんですが、このおネエの言葉にめちゃくちゃ救われました(涙)

あんまり見た目が酷いのは嫌なので定期的に美容院には行っていたものの、アイロンやコテを使って髪を巻いたりアクセサリーをつけることを敢えて避けていました。ブスがお洒落してもね…みたいなやつです。というのと、この間後輩の女の子から「葛原さんは声と顔が可愛いです」と言われて舞い上がっちゃってるのもあって(笑)、イメチェンしようかなと思いました。

今までは髪も梳かして終わりなショートやロングにしていたんですが、憧れの後れ毛巻いたりふんわり前髪、今日作ってきました( *´꒳`* )

ピアスは怖いのでイヤリングも買ってつけてみました( *´꒳`* )

憧れてたやつやっちゃったーーー!!!とテンション爆上がりしてます(笑)

美容師さんおすすめのコテもポチったし、髪乾かす前の流さないトリートメントも買ってみました。めっちゃ女子してるわ私…。とドキドキしてます。

ちょうど会社に用があったので美容院行った後にイヤリングを付けて職場に顔を出したら「めっちゃオシャレやん!!」と上司にジロジロ見られて嬉しかったです。いやもうずっと憧れてたんですよね、後れ毛巻くのと前髪ふんわりしてるのと耳に光る飾り(言い方)つけてるの。ダイエットして細くなるまではいけたけどそこから先が気恥ずかしくて。憧れの姿に一歩近付けてとても嬉しかったです。あとはもう少し髪伸ばしてヘアアレンジをしたい…。練習して編み込みとかしてみたいです。

 

 

あと今年のバレンタインはマカロンオートミールクッキーにしました。

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カロンを食べた旦那の感想が「カントリーマアムや」だったので笑いました。